アッシジの聖フランチェスコは、1181年にイタリア中部のスバジオ山斜面に広がるアッシジで生まれた聖人です。フランシスコ会(カトリック教会の修道会)の創立者で、世界平和やエコロジーの守護聖人として知られています。清貧と奉仕の生活を実践し、愛と瞑想の神秘家としても知られていました。小鳥に説教した逸話が有名です。
皆さんもご存じのマザー・テレサは12歳の時にフランチェスコの伝記を読み、胸が震えるほど感動したといいます。そして生涯その感動を胸に留め、彼を敬愛し、自身の修道生活の手本としました。彼が作ったものではないですが、彼の精神を表したとされる「フランチェスコの平和の祈り」という祈祷文がマザーは大好きでミサの後に唱えていたといいます。
「フランチェスコの平和の祈り」
ああ主よ、私をあなたの平和の道具としてください
憎しみのあるところには愛を
罪のあるところには赦しを
争いのあるところには一致を
誤りのあるところには真理を
疑いのあるところには信仰を
絶望のあるところには希望を
闇のあるところには光を
悲しみのあるところには喜びを
私にもたらしてください
ああ、主よ、私に求めさせてください
慰められるよりも慰めることを
理解されるよりも理解することを
愛されるよりも愛することを
人は自分を与えてこそ受け
自分を忘れてこそ自分を見出し
赦してこそ赦され
死んでこそ永遠の命に復活するからです
(小平正寿訳)
【酒井しょうこ著:酒井しょうこと辿る聖フランチェスコの足跡/アッシジ聖なる風景(ISBN978-8056-3621-3)より引用】